「背中の呼吸」に気づくと痛みがやわらぐ②

身体のうしろ側にも空間は広がっている

「背中に年齢があらわれる」と云われている。
確かに背中がスッキリしている人は若々しく、逆に丸かったり、脂肪がつき過ぎていれば、加齢を感じさせる。

身体のうしろ側に意識が行くのはいいことだ。
視線の方向に注意が向くのは当然だが、それだけだと身体の動きも窮屈になる。

だからといって、背筋を伸ばさなくては、と意識するあまり常に背中を緊張させ続けるのは不自然だし、ムリがある。腰に力を入れること=背筋を伸ばすことだ、と考える人が多く、これでは負担がかかる。

背中を緊張させて固めることが「良い姿勢」ではない。
そうではなく、いつでも柔軟に動けるポジションにあるかどうか、それが重要だ。

背中側の筋肉を鍛える前に、まず身体の背面を緊張させずにゆったりと意識する。
時々そうするのがのぞましい。

ホールセンスセラピーでは、「身体の前ばかりではなく、うしろ側や上下にも同時に気を配ってみましょう」というワークをする。「同時に」というところがミソだ。

人は視線の届かない方位のことも無意識に感じているが、危険を感じるなどしなければ反応は薄い。
環境の中で、自分の身体のうしろ側にも空間は広がっている。

さまざまな方向を同時に感じ取ろうとすれば、注意は分散される。それだけで背中側もゆったりと意識され、緊張がゆるんでくる。

背中を意識させるために呼吸を利用する。
横隔膜の背中側の動きに気づくと、より緊張感が抜けて、痛みもなくなることもある。

前編はこちら

背中を感じて身体が柔軟になっていく

「カラダ、カタイなー」「若い時より動きが悪くなった」と感じている方も多いだろう。私も若い頃から硬かったが、脳卒中後はさらに硬くなった。硬いというより縮んでいるという印象。入院中しばらくは背も低くなり、それは腰や背中を伸ばしきれなかったからで、やはり出血の影響を受けた右半身が硬く動きにくい。

それでも呼吸を利用することでずいぶん動きが変わることを日々実感している。これは少しずつしか改善しないが、しかし確実に変わっている。

前回、呼吸法に凝りすぎるとかえって身体を緊張させてしまうと書いたが、「やらなければならない」といった義務感だとそうなる可能性はある。
しかし、「呼吸に気づく」というところから始めると、自然に呼吸を良い方向に持っていける。

「息を吸って下がり、吐いて上がる」という横隔膜の動きを拾ってみる。背中を中心に感じ続けているだけなのに、自然に呼吸が深くなり、こわばりが解除されていく。呼吸という潤滑油によってスムーズな動きを取り戻す、という感じだ。

成人の呼吸数の平均には諸説あるのだが、自然呼吸の場合は1分間に12回から18回とされ、20回以上は多呼吸と見なされるようだ。ほとんどの呼吸法はこの回数が、結果的に少なくなるようにプログラムされている。

たとえば大きなストレスにさらされてると、呼吸が浅く早くなる。それが続くと身体が緊張しやすく、ほぐれにくくなる。
だから日ごろからゆっくりとした呼吸をすることで、緊張に気づきやすくし、落ち着かせる効果を導こうとしているのだ。落ち着けば身体はバランスを取り戻して、凝りや痛みを過剰に感じることもなくなる。

脳で云うと、島皮質(とうひしつ:右前島皮質)という部分が落ち着いてバランスがよくなる。ここのはたらきが鈍くても、過剰でも良くない。
たとえば、何か悪い予感がすると、興奮し、暴走して、それが身体にも影響を与える。勝手に頭で作り出した不安感が、身体を痛めつける。
ストレスを受けると現れる過敏性腸症候群の時も、島皮質が興奮するという。

腰痛など慢性的な痛みが日によって強くなったり、そうでなかったりする、という「痛みの波」を大きくしないためには、島皮質をおだやかに静めることだ。

そのための手段として呼吸を使い、それは結果的に瞑想につながる。

瞑想とゆったりした呼吸はセットなのだ。瞑想をずっとやり続けている人は、右島皮質と左島皮質(喜びや幸せを感じるときに働く部位)が、普通の人より大きい。また、年齢とともに小さくなる島皮質の体積が増えていく(マサチューセッツ病院/サラ・ラザー博士による研究 https://www.youtube.com/watch?time_continue=62&v=m8rRzTtP7Tc)。

瞑想で脳の構造まで変わってしまうらしい。

 

では「背中の呼吸」の効果を試してみよう。

やり方はこちらをお読みください

腰に違和感を感じたらおやめ下さい。無理のない範囲で試してください。
他の部位でも実感できますので、知りたい方はお問い合わせください。

  • まず足を肩幅に開いて前屈をしてみる。手指と床との距離をだいたい覚えておく。
  • 次に息を吸いながら軽く膝を曲げる。この時、横隔膜が下がる動きで背中が動くのを感じる。
  • 口から息を吐きながら、膝を戻す。この時、横隔膜が戻る動きでお腹が少し動くのを感じる。
  • ゆっくりしたペースで5回程繰り返す。
  • もう一度前屈して、手指と床との距離を確かめる

距離がそれほど変わらなくても、問題ない。背中の動きが感じられて、なんとなく気持ちが落ち着いてきたと思えればいい。

背中側の横隔膜、肋骨の動きが感じられるようになったら、脇腹の方も感じてみる。

ゆるんだ感じは、もっとひろがっていくはずだ。

ホールセンスセラピーでは感覚の融合で、身体と気持ちを整った状態へと導く、あり方、考え方、やり方をお伝えしています。

視覚、運動、内臓感覚などいくつかの感覚を融合させることで新たな可能性を引き出す、という狙いがあります。

12月23日(土)の体験セミナーにお申し込みください。
緊張がとけていく心地よさを味わってください。

詳細はこちらを。http://wholesense.net/seminar/

「考え過ぎること」を身体を使って止めてみる。

そこにはとても静かで心地良い時間が流れる。

身体と気持ちが静かに収まり、つり合いがとれていく。

 

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